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算数の道具

ノート ペン
無人島に何かひとつだけ持っていくことを許されたら。
私は迷うことなく数学のできるだけぶあつい問題集を持っていくでしょう。
電気が使えインターネットにつながるのならパソコンでしょうが、無人島でそれは期待できません。
食料や嗜好品など、他のものはすぐに無くなったり切れたりするでしょう。
好きな本を1さつ持っていくのもありえるでしょうが、さすがにあきてしまいそうです。
できれば大量の紙とペンも欲しいところですが、それは無くても何とかなりそうです。
無尽蔵の時間と孤独を埋めるのには、数学の問題集は有効です。
何かしら食べていけるとしたら、紙とペン、そして問題、これだけあれば究極の暇つぶしができそうです。
問題と筆記用具、これだけで楽しめるものは少ないと思います。
それだけに、その道具の使い方も人それぞれありそうです。
また、講習などではじめて教える子どもたちのノートを見るとひどいものがあったりします。
そこで、ここでは私が考えるおすすめの「算数の道具」の使い方を書いていくことにします。

ノートのこと
塾や学校の先生にいろいろと伝授されていることと思います。また、学習法の説明会やその類の本などでいろいろと紹介されたことでしょう。
それはそれで私は否定しません。人それぞれ自分にもっともあったノートの使い方をすればよいと思います。
しかし算数のノートの使い方で、明らかにこれはだめと言うのがあります。以下に例をあげてひとつずつ見ていきましょう。

1.答えだけの羅列で、計算や式や考え方などまったく残っていない。
これが一番だめなノートです。志望校が記述を要求する学校でなくても、算数の学力を上げたければ自分がどう考え、どう解いたのかという過程をしっかり残さなければいけません。
どこまでわかっていて、どこから間違えたのか。もっと良いやり方はなかったのか。答えだけのノートからは自分も先生も読み取ることはできません。もし暗算の天才で、問題を見た瞬間に答えが浮かんでくるとしたら、それでもいいかもしれませんが。
私がそんなノートを見つけたら「これはすべて暗算?」とかならず聞きます。しかしいまだに「そうです」と答えた天才君はじょうだん以外ではひとりもいません。
2.計算が残っていても、ノートのあちこちに乱雑に、または小さくゴシャゴシャと書いてある。
これも1.のことと同じですね。どうせ計算するのなら、ていねいにその問題を解いている同じ場所に残しておくべきです。そのノートでは、あとで見直しをするときにチェックすることができません。問題を解くということは、その問題がしっかりわかっているかどうかチェックするということです。どこで間違え、どこからわからなかったのかがチェックできないノートはだめです。
3.落書きや他の科目など算数以外のものが混じっている。
算数の学力はノートの量に比例します。つぶしたノートの数だけ学力がアップします。算数の学力をアップする最も効果的な方法は良い問題をたくさん解くことです。
そういう意味では、いろいろ算数以外のものが混じったノートは感心しません。算数のノートは算数だけで1さつ完結させることをお勧めします。
ついでに私はルーズリーフを勧めません。とても几帳面で管理能力が高い子ならばいいかもしれません。しかしそうでない場合、ほとんどが何をどこに書いたのか、前に解いた問題を調べようとしたらどこにいったかわからない、なんてことによくなります。整理や管理は時間順に並んでいる方が良いと思いますがどうでしょうか。
もうひとつついでに無地のノートを勧める先生もいますが、それも子どもそれぞれです。まっすぐにきちんと一行書けない子どもだと、ただの落書き帳になってしまいます。
4.計算ノート、復習ノート、予習ノート、授業用ノート、公式ノートなどと細かく分類しすぎて管理しきれていない。
私はできるだけ算数のノートは1さつにしなさい、と言っています。
先生に提出するノートは分けるしかしょうがありませんが(私の場合は、その授業中のちょっとあいた時間に見ることにしています。それですまないものはプリントで提出です)。
それ以外は1さつだけがお勧めです。あとから見直すのにも、塾に持って行くのも、それ1さつですむのですから、管理が簡単です。ちゃんと勉強しているのかな、と先生や親が見るのもそれだけですみます。また1さつだけでやっていますから消費量も増え、達成感もあります。
情報はできるだけ近くて、いっぺんに見られる方がいいと思いませんか。
もちろんいろいろな考えを持つ先生がいますから、それはその指示に従がう方がよいでしょうが。
5.間違えた問題は消しゴムできれいに消して正解を書き、丸をつける。
いまいち自信がなさそうな子や親の管理が厳しい子に見られます。×がつくと気持ちが悪いのか、怒られてしまうのか、家庭学習が増えるのか。
繰り返しになりますが、ノートはどこまで理解していてどこからわからないのか、どこでどんな間違いをしたのか、その履歴が大事なのです。間違いは間違いでそこに残して、そこに赤ペンで間違いを直しましょう。間違いを見つけて解き直し、これが一番の学習法だと思います。
6.ノートは持っていない。解くのはプリントかテキストに直接書き込む。
プリントが主体の塾で、そのプリントにはじゅうぶんノートと同じだけの余白があり、そこに書き込むのならまだ話がわかります。しかし、問題がつまっていて、その余白にごちゃごちゃと書き込んでいるとしたら、それはだめでしょう。
よく塾向けの教材で、それほど余白がなく(  )などの解答欄がついているものを見かけますが、そこに書き込むのはよくありません。きちんとていねいに解くことができるとは思えません。
私の場合、テキストにはできたかできなかったかのチェック以外は書き込まないようにと指導しています。

さて、私が勧める算数のノートは単純です。ノートの1ページの真ん中にたてに1本線をひく、それだけです(図)。それも面倒くさければ、たてに真ん中で折ってもよいと言っています。
 
その理由の第一は、式をきちんと下に書いていくためです。
よく見られるのが、1+2+3+4=3+3+4=6+4=10 などと横にずらずら書いていくものです。
正しい書き方は、
 1+2+3+4
=3+3+4
=6+4
=10
です。
式はかならず下に書いていく習慣をつけていくべきです。
間違いがないか上と下を見比べつつ計算するべきです。「=」をそろえて、ていねいに一行ずつ書いていきましょう。
このノートの使い方は、1ページの左側に考え方や式を書き、右側は筆算や、先生に習った解法や解き直しに使います。
もちろん、これはひとつの例で無理にお勧めするものではありません。使いやすく学習が効果的にはかどるものであれば良いと思います。
低学年は字も大きくこれは無理でしょうし、はじめに書いた通り、人それぞれ自分にもっともあったノートの使い方をすればよいと思っています。

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ペンのこと

算数でお勧めのペンの種類は2種類、黒い字で書けるものと赤ペンです。
黒い字で書けるものと言ったのはシャープペン、鉛筆、ボールペンなどいろいろ種類があるからです。
ボールペンはあまり使わないかも知れませんが、これは勧める人もいます。
その昔、私もそのひとりでした。ボールペンが良いところは書き直しができないところです。
それまでは消しゴムを使わないように勧めていました。しかし、やはりあるものはどうしても使ってしまいます。また、テストでは使わざるを得ません。
考え方や式で間違いがあればそこを二重ぼう線を引いて消して修正する、それが昔からの王道ではなかったですか?
けっしてノートは参考書や百科事典のようにカラフルできれいに仕上げるものではない、そう教わりませんでしたか?
算数のテキストやノートはできるだけ汚れている方がよいのです。もちろん乱暴に扱うということではありません。また乱雑であったり落書きだらけということでもありません。
算数や数学の学習で効果的なのはよい問題を繰り返し解くことです。そうすると自然に学力の伸びに比例してどちらも汚れていきます。
大事なことはノートのところにも書きましたが、どこで間違えて、どこからわからなくなったのか、です。それを消してしまえないボールペンはとても昔は魅力的でした。消しゴム禁止にしなくても消しゴムを使おうとはしませんでしたから。砂消しで消してさらに汚くしようという子はいませんでしたから。
ところがとんでもない強敵が現われました。修正液です。通称ホワイト(?)です。
これはよくない。ボールペンでせっかく間違えても(?)上からきれいに何事もなかったかのように消してしまいます。
何のためにわざわざボールペンを勧めていたのか、まったくわからなくなってしまいました。はじめのうちは「すぐそれは嫌いな子か、ライバルにあげてしまいなさい」などと言って抵抗していましたが、ついに勝てませんでした。
ホワイトの勢いは、いまだとどまるところを知りません。修正ペン、修正テープ、続々新手が現れてきています。修正液に負け、私はボールペンを勧めなくなりました。
便利になると言うことは、頭を使わなくなるということなのでしょうか。
話はそれますが、また、よく言われるところだとは思いますが、私もご多分に漏れずパソコン生活のおかげですっかり漢字が書けなくなりました。
今は百歩ゆずって書き損ないには使ってもいいけども、間違い直しや解き直しには使わないように指示しています。
シャープペンや鉛筆の場合は、子どもの筆圧に応じてですが、当然ながら字が薄くならないものがいいですね。できるだけ濃い字の方がよい。私は字の大小は問いませんが(もちろん極端なものは注意しますが)数字はもちろん字はていねいにしっかり書く方がよいに決まっています。
赤ペンには特にこだわりはありません。きちんと間違いのチェックを赤ペンでできればよいと思っているだけです。ただあまり関係がありませんが、たまに赤鉛筆を使ったノートを見るといいなあと思います。何なのかよくわかりませんが、赤鉛筆だけには特別な思い入れがあるようです。そんなことはありませんか?
ただし、ラインマーカーは使わないようにいっています。これは間違いのチェックや解き直しに向きません。これで字を書いても見にくいだけです。
ついでに言うと、算数でラインマーカーを使った方が良い場面はあまりありません。
テキストで大事なところはすでに太字かカラーになっています。大事なところにぜんぶ線をひこうとしたらそれこそ線だらけになるでしょう。そんなところに気を使うくらいなら1問でも多く問題を解いた方が良いと思います。



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この記事は「ひじょうに参考になった」
さっそくノートの書き方を改めさせました。

この記事は「ひじょうに参考になった」
低学年から塾に通っているのですが、前からノートについてはこれでだいじょうぶなのかなと疑問でした。
通っている塾で今まで一度もノートについては注意がなかったもので。


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